鈴木 翔太
言語の裏側に隠された真実
この記事にアクセスしていただきありがとうございます。
この記事では言語に隠れている情報について考えてみたいと思います。
少しミステリアスなタイトルにしましたが、日常に溢れていることですのでご興味があれば読み進めてみてください。
コーチングのゴール設定には、want to(~したい)のゴールであることが良いと言われます。
人間はやりたいことをするからこそ生産性が上がるのであって、have to(~しなければならない)を自身に強制しても無意識に反発が起こり、生産性が上がらないどころか行動する気も起こりません。
日曜日の夜が近づくにつれて、「明日の仕事嫌だな~」、「明日からまた学校が始まる」というのが良い例です。
そのためwant toが良いと言われます。
何がwant toなのか、want toと思わされていないか、意識していないだけでwant toでやっているのではないか、といった色々なことをよく考える必要がありますが、こういった場面でよく使われる言葉が「頑張る」という言葉です。
「頑張る」という言葉は便利で、心の底からwant toなことに対して使うこともあれば、先ほどの「明日の仕事嫌だな~、でも頑張る」という風に、嫌なことだけど無理して取り組む場合にも使われることがあります。
しかし、生産性を上げる、パフォーマンスを上げる、結果を出していくということを目的とした場合には、「明日の仕事嫌だな~、でも頑張る」という使い方は望ましくありません。
それはhave toであってwant toではないからです。
「頑張る」という言葉の使いやすさが裏目に出てしまっています。
want toが前提のコーチングでは、「頑張る」や「努力」という言葉が例外的に使われることはあるかもしれませんが、基本的にはありません。
やりたいことをすることを「努力」と言っているのであれば、その人にとっては問題ありません。
しかし、「頑張る」や「努力」をすることは良いことだという風潮がある現代では、実は逆効果になっていることも少なくありません。
母親が、ゲームが大好きな子供に勉強をさせるときに、「ゲームばかりしていないで勉強をがんばりなさい」と言ったとします。
勉強が嫌いな子供にとっては、この頑張りなさいは完全に逆効果です。
強制することで無意識が抵抗するという脳のカラクリを無視しています。
自主的に勉強をするように促すのがまずは重要です。
「頑張る」という言葉の裏側にはこういった情報が隠れていることがあるのです。
「頑張る」という言葉を使うのであれば、「ゲームたくさん頑張ってて偉いわね」と本心で使うべきです。
しかし、実際はこのような使われ方をすることはほとんど無いと思います。
本人にとって、やりたいことをやりたいだけやっているだけで、努力しているとは思っていません。
その姿を周囲から見れば努力しているように思えるだけなのです。
嫌なことに対しても頑張るという言葉を使っていると、頑張るのは当たり前、嫌なことをするのは当たり前となってくるリスクがあります。
使う場合には注意が必要です。
「頑張る」という言葉の裏側には、"嫌なことを無理して取り組む"が孕んでいるのです。
他の例で考えてみましょう。
「○○さんはすごいんですよ!つい先日もこんな結果を出してましたよ!」
日常の会話ではよくありそうですよね?
しかし、この発言には「私(私たち)にはできないですよ」が孕んでいるかもしれません。
「そんなこと思ってない」であれば問題ありません、是非本人にも伝えてあげてください。
「私(私たち)にはできないですよ」が心の中に出てくるのであれば、それを意識的に変えていくのが良いです。
「○○さんはすごいんですよ!」と良いながら、心の中では「私もすごいんですけどね!」と思っていれば良いです。
心の底からそう思えない人は、「でもそれは嘘になる」と考えるかもしれません。
「人に嘘をついているわけではないけど、自分に嘘をついている気がして嫌だ」という主張です。
しかし、それは何の問題もありません。
人間には誰もがとてつもない能力を秘めています。
言語を獲得し、異常に進化した脳を持っています。
「私はすごい」を脳に刷り込めば、本当にすごい人になっていきます。
そうやって人間はパフォーマンスを上げていくことができるのです。
人間の認知は全て解明されているわけではありませんが、パフォーマンスを上げていくということに関しては多くのことがわかっています。
それがコーチング理論につまっているのですが、その中でも言語を活用するのは有効な手段です。
実際に、「私(私たち)にはできないですよ」を心の中で呟いている人はその通りになっていいませんか?
人間は思っている以上に言語に大きな影響を受けているのです。
ということで言語の裏側というテーマで書いてみました。
人生好転のヒントになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。