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  • 執筆者の写真鈴木 翔太

【解説】認知的不協和

更新日:2021年10月7日

この記事にアクセスしていただきありがとうございます。


この記事では、認知的不協和について解説してみたいと思います。


認知的不協和という言葉は普段馴染みのない言葉ですが、我々が普段体験するようなことであって難しいことではありません。


自分にとってはこうあるべきだという信念があったときに、現実がその信念と合致しないときに不快感が生まれます。


例えば、スポーツの試合で、「私たちは強い、どのチームにも負けない」という信念を持ったチームがあるとすると、もし試合に負ければこの不快感が生まれます。


戦績などを比較して格下だと思っていた敵チームであればかなりの不快感が生まれるでしょう。


試合に勝つことが当たり前のチームにとって、試合に負けることは「こんなのおかしい、私たちらしくない」となるわけです。


身近なことだと、財布に1万円札が10枚あると思っていたときに、5枚しかないもしくは15枚あるということが起こるとこの不快感が生まれます。


これが認知的不協和です。


誰もが日常でよく起きていることがわかると思います。


この認知的不協和が起こると、おかしいという不快感を解消しようと無意識がはたらきます。


スポーツの試合であれば、もっと練習しようという行動が起きるかもしれませんし、財布の中身が足りなければどのように1万円札を10枚にしようかと考えます。


通常、当たり前だと思っていたことが当たり前ではなくなったとき、その当たり前の状態をどのように維持しようかと無意識がはたらくのです。


年収1千万円の会社員が、年収600万円になると転職や起業を検討し始めるということが起きます。


しかし、この当たり前ではない状態が続くと、次はそれが当たり前の状態になります。


スポーツの例で言うなら、まだレベルの低い初心者であったとしても、レベルの高い人達に囲まれながら練習することでその環境に慣れていきます。


初めは、「私だけ初心者・・・」のような気持ちが強いかもしれませんが、レベルの高い人達に囲まれているとそれが当たり前になるため、上達速度も上がりレベルの高い環境が当たり前になっていきます。


コンフォートゾーンが移行するとも言えます。


このレベルの高い環境が当たり前になる前に辞めてしまうという人もいるぐらい、認知的不協和により無意識が強く拒んでしまいます。


しかし、レベルの高い環境を当たり前の状態にしてしまえば、結果的に上達速度はかなりのものになります。


語学留学やスポーツ留学が有効なのも同じ原理です。


初めは慣れない環境にとまどい、帰国したくなるということが起こりますが、新しい環境が当たり前になれば苦ではなくなっていきます。


このカラクリがわかっていれば、自身の目標達成に活かすことができます。


コーチングでは、先に目指している環境を当たり前の状態にし、現在の状態に不満や不快感を出すように意図的に認知的不協和を起こさせます。


目標を達成している自分の姿を当たり前の状態にすることで、強力な無意識を味方にして実際に目標達成に向かわせるのです。


先ほどのスポーツの例だと、レベルの高い状態でプレーすることを当たり前の状態にすることで、無意識をはたらかせ、初心者であったとしてもレベルの高い環境を望むようにするということです。


私自身も実際にそういった認知的不協和を起こすようなはたらきかけをしています。


つい最近まで、いつも教えている小学校低学年の子供達達は、上の学年の子供達と練習するのを避けていましたが、最近ではそれがなくなってきました。


コンフォートゾーンが移行してきているのがよくわかります。


子供達の可能性を感じます。


最後までお読みいただきありがとうございました。



認知科学に基づくコーチング理論



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