鈴木 翔太
【解説】現状の外側とは
この記事を閲覧いただきありがとうございます。
今回は、世界最高峰である苫米地式コーチングの
大きな特徴でもある【現状の外側のゴール】に
ついて書いてみたいと思います。
現状の外側のゴールの何がすごいのかを
少しでも伝えられればと思います。
現状の外側を説明するにはまず、現状とは何かということを
理解する必要があります。
我々の現状とは、自我が作り出しています。
自我とはブリーフシステムのことであるというのは
他の記事でも説明したとおりです。
この自我というのは、何らかの情報を我々の重要性を通して
認識するというカラクリがあります。
逆に言うと、重要でないことは認識ができません。
例えば、趣味のような自分の好きなことの情報は、
自主的に学ぶことも含め勝手に詳しくなっていく一方、
興味の無いことに関してはそれを知ろうとはしません。
電車の中で、自分の興味のあるもの、
例えばアーティストやスポーツ、ニュースや学問など、
重要性が合致する情報が耳に入るということは誰もが
経験していることと思います。
重要でないことは聞いているようで聞いていません。
電車に乗った日に、その時に聞いた話を全て
説明出来る人はほとんどいないでしょう。
説明できるのは、やはり自分の重要性の高いものだけです。
このようなことを、重要性を通して五感と言語情報で
認識しているのが、人間の自我のカラクリです。
自我は、外から来る情報によって形成されていきます。
その中心となるのが教育ですが、他にも宗教やメディアなどの
情報を受け入れることで自我が形成されていきます。
世界を見渡してみると、神の存在を信じる人もいれば、
平気で殺人をしてしまう人がいたり、戦争をする国もあります。
自分では考えられないようなことをする人がたくさんいますが、
全ては人の自我であり、マインドによるものなのです。
そのため、今ある現状というのは、これまでの自我が
作り出しているということになります。
ではなぜ現状の外側のゴールを設定すべきなのでしょうか。
逆のパターンの現状にゴールを設定すると
どうなるかということで考えてみましょう。
現状というのは、これまでの自我が作り出していると述べました。
これはつまり、現状というのは過去が作り出している
ということでもあります。
ということは、現状にゴールを設定するということは
過去をベースにゴールを設定するということです。
この場合、自我にとっては過去が重要になります。
自我により、重要性を通して認識するため、
過去の情報を通して何らかの情報を認識することになります。
これにより、現状にゴールを設定することは、
過去により限界を定めてしまうことになります。
過去の経験や知識だけでゴールを設定するためです。
しかし、実際は一人の人間の過去の経験や知識というのは
宇宙の全情報で考えるとほんの一部に過ぎません。
実際、我々はニュースを読んだり学問を学んだりしています。
これが現状のゴールを設定することの弊害の一つです。
ゴールというのは、自我が重要だと認識します。
「これがゴールだ」と意識的に思っていなかったとしても、
例えば、生活をするために働くというような
何らかのゴールを普通は持っています。
この例の場合をコーチングでゴールと言うかは別として、
こういったことが重要と脳が無意識のレベルで判断します。
この自我の機能により、現状へのゴール設定は
益々現状を強化してしまいます。
人間は自我の機能により、重要でないことは認識できないのは
先ほど述べたとおりです。
現状のゴールを達成するための方法が、自分の重要性の外にあると
それは認識できないということです。
よくある例ですが、会社員がその会社の社長になることが
ゴールとしてあった場合、これは現在の自我が続くと
達成できてしまう可能性があります。
過去の経験や知識を駆使することで達成できると
無意識が判断すると、そのように行動するからです。
しかし、社長になるには自我で形成された重要性の外の
情報や方法が必要となります。
社長を経験していないために、過去の経験や知識だけでは
不十分だからです。
この例から、現状のゴール設定により現状が強化されると
より達成が困難となることがわかるかと思います。
重要性の合致するものしか認識できない、
これが心理的盲点という脳のカラクリです。
コーチングではスコトーマという言葉を使いますが、
現状のゴール設定によりスコトーマを益々強めてしまいます。
これが二つ目の弊害です。
実際のところは、会社員が社長になることが
現状の中か外かというのは人によっても異なります。
同じマインドを持つ人はいないので、絶対に現状とは言えません。
しかし、それが現状であった場合には弊害があるのです。
では現状の外のゴールならどうでしょう。
現状の外にゴールを設定し、無意識がそれを重要と判断すると、
今までの重要性はもはや関係がなくなります。
ゴールが重要であるということは、それまでの過程も
重要性が上がるので、勝手に方法を見つけ出すようになります。
自我は重要性を通して情報を認識するのです。
現状の外側のゴールにより、
それまでの過程はスコトーマにはなりません。
現状のゴールのように、達成方法がスコトーマに隠れないのです。
これが現状の外側にゴールを設定する理由です。
マインドのカラクリといった認知科学をベースとした
科学的根拠のある理論に基づくのが苫米地式コーチングなのです。
しかし、ここで注意すべき点が一つあります。
現在の自我があるのに、どうやって
現状の外側にゴールを設定するのかという点です。
現在の重要性があるのに、その重要性の外は見れないという
自己矛盾の問題が出てくるのです。
これを解決するにはコーチングを受けるのが近道ですが、
苫米地式コーチングは値段が高いとよく言われます。
人生というのは、どのようなマインドで生きていくかで
全く違うものになります。
我々の日々の行動はマインドによって起きているというのは
この記事だけでもある程度理解できると思います。
ですので、値段が高いかどうかは一考する余地があると思います。
とは言うものの、コーチの数がまだまだ足りていないことも含め、
全ての人が苫米地式コーチングを受けることはできないので、
まずは自分でコーチングを実践していく中で現状の外側を
見つけていってほしいと思います。
そのために書いている記事でもあるので、
現状の外側を認識できるようになる方法を一つ書いておきます。
それは、縁起としてものごとを捉えることです。
自我の定義に戻って説明してみると、
自我というのは、自分の頭の中の情報も含めた宇宙の全情報の中から
自分と宇宙を分ける部分関数であると定義することができます。
この辺りは別の記事でも触れていますが、
宇宙の中から自分を抜き出すことで自我がわかるということです。
自分以外の宇宙を知ると自我がわかるということでもあるのですが、
その場合無限に時間がかかってしまいます。
自我を知るには自分について知る方が圧倒的に早いのです。
自我というのは重要性を通して情報を認識するということは
この記事でも何度も述べました。
この重要性が既に縁起でもあるのです。
今私の目の前には一つのペンがあります。
私が重要だと判断して購入したボールペンです。
このボールペンの何が重要であるかと判断したかというと、
デザインが好みであったり、メーカーの長い歴史などです。
クリップが矢羽になっていて格好良い、
メーカーがこの矢羽クリップを初めて採用した製品は1933年、
ペン全体は「シズレパターン」というデザイン、
「シズレパターン」が採用されたのは1964年、
ペンの製造に関わった人、デザインに関わった人、
ペンの卸売りをしている会社、販売している会社、店舗、人、
これに関わった人には両親がいて・・・
というように、自分が重要だと判断したペン一つでも、
考えれば考えるほど情報が外に広がっていきます。
関わった人の両親まで広がると、もはやペンではありません。
しかし、私が重要だと判断したペンは、
実は関わった人の両親がいたからこそ私の手元にあるのです。
自分というのも同じです。
自分を説明すればするほど宇宙に広がっていき、
広がれば広がるほど自分ではなくなります。
自我というのは、宇宙の情報を自分にとって重要か重要でないか、
どれぐらい重要かを評価するのです。
宇宙全体を先ほどのペンのように縁起のネットワークとして
捉えることで重要性が変わることがあります。
その重要性が変わると現状の外側が見えてくることがあります。
重要性が変わるということは、今までに認識できなかったものが
認識できるようになるため、現状の外側に近づいたと言えるのです。
これがものごとを縁起として捉えるということです。
どの程度重要性が変わったのかという程度にもよりますが、
この捉え方を継続することで何らかの変化が得られるでしょう。
是非この瞬間から現状の外について考えてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。