鈴木 翔太
【解説】ドリームキラー
更新日:2021年9月3日
この記事では「ドリームキラー」について解説してみます。
「ドリームキラー」とは、ゴールを達成しようとすると邪魔をしようとする人のことです。
「そんな人滅多にいない」と思われるかもしれませんが、実は「ドリームキラー」は非常に身近な存在であることが少なくありません。
身近な「ドリームキラー」の例は、あなたの親(家族)や教師、上司などです。
このような「ドリームキラー」は、あなたが何かすごいゴールを設定し、それを伝えると、「そんなの無理だ」といったことを言います。
「ドリームキラー」は好意であなたのゴール達成を阻もうとします。
「世界中の人々を幸せにする」ために、「起業してビジネスを始める」と言うと、「倒産したらどうするの?」といった最もらしい言葉であなたの邪魔をしようとします。
何か大きなことを成し遂げようとして、それを言語や非言語で伝えると、「ドリームキラー」のコンフォートゾーンが乱れてしまうのです。
2015年に公開された「ビリギャル」という映画があります。
学年ビリの成績の女性が偏差値を40上げて慶応大学に合格したという実話を基にした邦画です。
その時の彼女を知る人たちは、慶応なんて無理と口々に言います。
これが「ドリームキラー」です。
この話では、コーチ的な役割を果たした「ドリームサポーター」がいたおかげもあり、見事に合格を果たしましたが、「ドリームキラー」の影響は受けたくないものです。
「言葉だけでそんなに影響を受けない」と思われる方がいるかもしれませんが、実は人間は言葉に強い影響を受けています。
我々は言葉を知っているからこそ、ありとあらゆるものを認識することができ、思考することもできます。
無意識レベルで「私には無理」と思ってしまうと、RASがはたらき、できない理由や方法ばかり思いつきます。
よくスポーツの試合で、「諦めたらそこで試合終了」という言葉がよく使われます。
これは実に理にかなっていて、諦めた時点で我々の脳が「相手が強かったから仕方が無い」、「十分頑張った」と、負けても良い理由を次々に思い浮かべるようになります。
勝てる見込みがあるにも関わらず、それはスコトマになります。
「まだ終わっていない」、「私なら(私たちなら)できる」と最後の最後まで確信していれば、方法や行動が見えてきます。
それで負けてしまうこともあるかもしれませんが、それでも次に繋がりやすい試合になることは言うまでもありません。
「やる前から諦めるな」ということも理屈は同じです。
このように思考する時も、言語が深く関わっています。
ネガティブな言葉が無意識レベルで刷り込まれていくと、それはやがてブリーフシステムとして形成されていきます。
「私にはできない」という言葉が刷り込まれていくと、見事にできない人間になってしまうのです。
我々は、親(家族)や教師、上司などの言葉には耳を傾けやすく、何かを言われるとすぐにそれを受け入れてしまいます。
それがネガティブなことであったとしてもです。
では、どのようにすれば「ドリームキラー」の影響を受けないでいられるかというと、「ゴールを言わない」のが一番です。
「信頼している相手には伝えたい」という意見が聞こえてきそうですが、それを伝えることで相手が「ドリームキラー」になると、それは相手にとっても良くないことです。
できれば伝えないのが一番でしょう。
それに、ゴールを言ってしまうことで、「言ったからにはやらないといけない」とhave toを感じてしまう可能性があります。
コーチングでは、ゴールは変わっても良いのです。
もしhave toを感じたなら、ゴールが間違っていないかは疑った方が良いですし、「ゴールの再設定」ということで言うなら、むしろゴールは変えた方が良いとも言えます。
「私にはこのゴールは無理だな」といったことを考えて「これぐらいのゴールにしておこう」と引き下げるようなことをしなければ、変わることは問題ありません。
少しこの記事のテーマから逸れてしまいましたが、このように「ドリームキラー」を作らないことが重要です。
例外として、ゴールを伝えても良い人がいます。
それがコーチです。
コーチは強力な「ドリームサポーター」ですので、このコーチング理論を学んで実践しているコーチであれば、コーチングを受けたときにゴールを伝えても問題ありません。
外に洩れないかということが心配であれば、守秘義務契約を結ぶのかをコーチ側に確認してみるのも良いでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。