鈴木 翔太
【解説】コンフォートゾーンとホメオスタシス
更新日:2021年10月7日
この記事にアクセスしていただきありがとうございます。
今回はコンフォートゾーンとホメオスタシスについての解説です。
コンフォートゾーンとは、我々が無意識に居心地が良いと感じる空間のことです。
自分の家や仲の良い友人という人間関係のような、物理的に慣れ親しんだ空間もあれば、自分の年収はこれぐらいだというような情報的なことについてもコンフォートゾーンがあります。
このコンフォートゾーンは人間が無意識レベルで好むため、多くの場合、この外側には出ようとしません。
例えば、体温の場合は平熱がコンフォートゾーンとなるため、体温が上がれば汗をかき、体温が下がれば身体を震わせて強制的に運動をして平熱を保とうとします。
これはホメオスタシス(恒常性維持機能)という、人間が持つ生得的な機能によるものです。
コンフォートゾーンから外れてしまうと、このホメオスタシスが無意識レベルではたらき、コンフォートゾーンに戻ろうとします。
人間は、体温の過度な変化といったことには耐えることができないため、このような機能が備わっているのです。
年収の場合も同じようにホメオスタシスがはたらきます。
減給が決まれば節約を考えたり、もっと稼げるような方法を考え出しますし、逆に昇給をすると出費が増えることもあります。
体温を維持するというように、ホメオスタシスが機能することが良い場合もあれば、マイナスにはたらくこともあります。
例えば、人前でプレゼンをすることが苦手な人の場合、大勢の前に出ることはコンフォートゾーンではありません。
この場合、脳は無意識レベルで大勢の前に出ることを拒み、プレゼン当日に体調を壊したり遅刻したりすることがあります。
プレゼン直前までは問題がなくとも、本番では緊張して失敗することもあります。
ホメオスタシスが正常に機能しているのです。
人間はコンフォートゾーンの中では最大限のパフォーマンスができますが、コンフォートゾーンから外れたとたんにパフォーマンスを落としやすいのです。
では、パフォーマンスを上げることができないのかと言えば決してそんなことはありません。
大勢の前がコンフォートゾーンでないのなら、コンフォートゾーンにしてしまえば良いのです。
実際に経験を積んでいけば、徐々に慣れてきてコンフォートゾーンになります。
しかし、実際に経験を積むにはやや時間がかかります。
社内でのプレゼンには慣れているが、社外に対するプレゼンは苦手というのは困る方もいるでしょう。
機会に恵まれずに経験を積めないということも考えられます。
そんな時には、ホメオスタシスを機能させる有効な方法があります。
実際の経験なしにコンフォートゾーンを作ってしまう方法です。
実は、このコンフォートゾーンというのは、実際に体験したかどうかは関係がなく、より臨場感の強い空間に対して決まります。
通常、我々の目の前の世界というのは、物理的に言語や五感を通して体感できるため臨場感が高まります。
しかし、そういった実際の体験でなくても臨場感は高めることが可能です。
実際、映画や小説の世界に臨場感を感じて涙を流したりしますし、睡眠中に見る夢はかなり臨場感が高まります。
夢の場合、覚めるまでは脳にとっては現実です。
夢から覚めた直後であれば、現実との区別がつかずに戸惑うことすらあります。
認知的不協和です。
意図的に、自身のイメージに対して臨場感を高めることで徐々にコンフォートゾーンは移行し始めます。
実際に体験していなくても、自分のなりたい姿の臨場感が高まれば脳にとってはそれが現実です。
自分のなりたい姿が新しいコンフォートゾーンとなるため、現状の居心地が悪くなりホメオスタシスがはたらきます。
よく思考やイメージは現実になると言われますが、これは臨場感が高まることで科学的に現実化していくのです。
自身のゴールに対して、あるべき姿をコンフォートゾーンにしていくことで無理なくゴールを達成していくことができます。
ということでこの記事ではコンフォートゾーンとホメオスタシスについて解説をしてみました。
不明点などございましたら、コメントやお問い合わせからご連絡ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。